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2020.06.16 品質管理

管理図~偶然か異常かを分ける

管理図とは

複数個のデータを集めた際に、それぞれの値が許容範囲内であれば正常データとして管理、許容範囲外であれば異常データとして管理する場合があります。

管理図では、折れ線グラフに上限と下限を設定し、その範囲内にあれば偶然のばらつきとして正常データ、範囲外であれば異常データとして判別します。

測定可能なデータや計数可能なデータであれば管理図で管理することができます。

使い方

例えば、あるバッテリー製品を製造していたとします。 このバッテリーのmA(ミリアンペア)を測定して、下記のようなデータが得られたとします。

504,499,501,498,500,502,480,502,500,500,502,497,495,501,522,496,500,495,499,505,503,496

これを折れ線グラフにすると、このような図になります。

バッテリー容量が500mA(ミリアンペア)で、誤差10mAは許容されるものだったとします。個々のバッテリーmAを測定して、490〜510mAの製品は許容し、それ以外は不良品となります。

管理図を使用することで、不良品の数や割合、発生した箇所が見えるようになります。

この管理図では、許容上限(上方管理限界線=UCL)を超えているものが1つ、管理下限(下方管理限界線=LCL)を下回るものが1つあることになります。

管理図の種類

管理図は基本的に中心の線と上限と下限の線を引く形になりますが、用途によって幾つかの種類があります。

  • Xbar-R管理図・・・データの平均値と(許容)範囲を見る。
  • Xbar-s管理図・・・範囲の代わりの標準偏差sを用いる。
  • M-R管理図・・・データの平均値の代わりに中央値を用いる。
  • X-Rs管理図・・・範囲の代わりに一つ前のデータの差分Rsを用いる。
  • p管理図・・・不適合率を二項分布で管理する。
  • pn管理図・・・不適合品の個数を比較するために用いる。
  • c管理図・・・欠点数を比較するために用いる。
  • u管理図・・・単位当たりの欠点数を表すために用いる。

管理図にはハードウェア製造に寄ったものが多いですが、ソフトウェアの開発でも機能やメソッド毎の不具合数や応答時間、サーバーのパフォーマンスログ管理などで使用することができます。

図形の傾向

ばらつきの許容範囲内に収まっていても、グラフの形状からデータの傾向を読み取ることができます。

  • 上方または下方にグラフの点が連続している・・・ばらつきに規則性があり改善が必要とされる可能性がある。
  • 周期的なグラフの動きをする・・・時間等の周期的な要因に影響されている。
  • 管理限界線ぎりぎりの値が多い・・・ばらつきが大きいため改善が必要とされる可能性がある。

まとめ

  • データのばらつきが許容範囲か異常な値かを見分ける。
  • データの計算、不適合/欠点を表す管理図の種類がある。
  • グラフの形状からデータの傾向を見ることができる。

次回≫親和図法/連関図法


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