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2023.07.28 デザイン

カラーマネジメントを調べてみた

私たちは日頃から電子機器(テレビ・パソコン・スマートフォンなど)や印刷物などで画像を見る機会が多いと思います。
ただ、電子機器と印刷物では色の表現方法が違うことはご存知でしょうか。

今回は、電子機器と印刷物の色の差をなくし、再現性を向上させるプロセスである「カラーマネジメント」について調べてみました。

それではいってみましょう。

電子機器と印刷物の色はどう出力される?

まず大前提として、電子機器と印刷物はそれぞれどのように色を出力しているのでしょうか?

電子機器=RGB

電子機器ではRGBという出力方法で、それぞれRed(赤色)・Green(緑色)・Blue(青色)の3つの色が基本となり、これらを混ぜ合わせることで様々な色味を表現しています。

これは光の三原色といわれ、混ぜ合わせていくと明るい色となります。

印刷物=CMYK

対して印刷物ではCMYKという出力方法で、それぞれCyan(藍紫色)・Magenta(紅紫色)・Yellow(黄色)・Key Plate(黒色)の4つの色が基本となり、これらを混ぜ合わせることで様々な色味を表現しています。

なぜ黒がBlackではないのかという部分について簡単にお話しますと、CMYは色の三原色といわれ、混ぜ合わせると黒に近い色にはなるのですが、より黒くするための色としてKが存在しています。

RGBとCMYKがなぜ使い分けされているか

電子機器は光の波長をコントロールすることで色を表現するのですが、印刷物は現実に存在しているインクという手段でしか色を表現することができません。
そのため、印刷物には色の三原色であるCMYのインク+Kのインクを用いることで色を表現しています。

と、色々と書き綴りましたがここでは、同じ色のように見えていてもその色を出力するアプローチには媒体によって違いがあるということだけ理解していただければ大丈夫です。

表現できる色

ここで一つ疑問が出てきます。
それはRGBでしか出力できない色=CMYKでは出力できない色があった際に印刷することができるのか?ということです。

結論からいうと、RGBでしか出力できない色は存在します。
RGBのほうが鮮やかな色を表現することができるため、印刷してもCMYKでは完璧に表現することができず、くすんだ色味として表現されてしまうということがあります。

ですので、パソコンで画像作成をして印刷するとなにかイメージが違うものができてしまった…ということがあるわけですね。

これを解消するために出てくるのがカラーマネジメントというプロセスになります。

カラーマネジメントとは

カラーマネジメントはどんな媒体でも正確・忠実な色を表現できるようにすることが目的となります。

カラーマネジメントのプロセスを用いることで、パソコン・印刷物で見た際に発生する色の差を抑えることができるため、特にデザイナーと印刷業者の円滑なコミュニケーションのためには必須の内容ということになります。

では、カラーマネジメントはどのように行えばよいのでしょうか?

これは最終的にその制作物の着地点=印刷物となるのか、電子媒体のみ表示されるものになるのかが重要となり手法も代わります。

印刷物として出力したい場合

電子機器で作成したものを最終的に印刷物としたい場合は、前述した「CMYK」と「RGB」を考慮する必要があります。
なぜならばそれぞれ色の出し方や表現できる数が違うからです。

この場合、電子機器でイラストやデザインを作成する際にあらかじめイラストソフトのオプションなどからCMYKカラーを使用するように設定しておくと、印刷時に差異が発生しにくい形でデザインを進めることができます。

ソフトウェアによっては、RGBカラーで作業を進めたあとにCMYKカラーに変換することも可能なものもありますが、色の変化が発生する可能性があるため制作物の印象が変わってしまう可能性もあります。

電子機器に出力したい場合

印刷物として表現するときは、「CMYK」「RGB」の差を考慮する必要がありました。
対して電子機器に出力したい場合は何も考慮をせずRGBでよいのかというと一概にもそう言い切れないのです。

どういうことかというと、RGBの中にもカラースペースという、RGBでありつつもどのような色を表現できる範囲なのかという設定があります。

このカラースペースのなかで一般的なものでは「sRGB」や「Adobe RGB」があげられます。

「sRGB」は一般的なモニターでも問題なく見られるレベルの色の表現が可能なものとなっています。
対して「Adobe RGB」は更に表現できる色の範囲が広いためsRGBと比べると更に一歩進んだ色の表現ができるのですが、対応するモニターでないと最大限魅力を引き出せない可能性があります。

まとめ

上記はあくまで一般的なカラーマネジメント方法であり、たとえば高性能なプリンター・インクであればCMYKの中でも更に表現できる色が多くなることもありえる、高性能なモニターを考慮するのであれば…などといった奥が深いものとなっています。

デザインや印刷をお仕事にされていない方でも、すこし色にこだわってみたいな、と思うタイミングがあればカラーマネジメントについて調べてみると納得のいくものができるかもしれません。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。


Nariki
ライター名:Nariki
2021年6月入社のwebディレクターです。
わかりやすい、親しみやすいブログ記事をかけるよう頑張ります!

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