巷を賑わしているAIチャットですが、メジャーなサービスとしてOpenAI社の「ChatGPT」がよく聞く名前となっています。その他にもGoogle社の「Gemini」やMicrosoft社の「Microsoft Copilot」というAIチャットサービスがあるのはご存知でしょうか。これらがAIチャットでは大手の3サービスとなっておりそれぞれが日々しのぎを削っている状況となっています。
とはいえ利用者目線ではそれぞれのサービスでどう違うのか、という部分がわかりにくい形となりますので、せっかくならばChatGPT・Gemini・Microsoft Copilotの力を借りつつ比較してみたいと思った次第です。
それではいってみましょう。
AIチャットはテキスト欄に質問や意見を投げかけることで、その文章に反応し回答をしてくれるといったサービスとなります。ざっくりとした仕組みとしてはテキスト欄の文章から問われていることやテキストの趣旨などを判断し、それに該当するような内容をウェブ上から引用したり、データベースにある過去の近しいやり取りから学習したものを活かしつつ回答をする流れになり、近年では画像や動画などを生成するといった分野でも活躍しております。
なお、上述の通り学習機能によりやり取りの中で得た情報を利活用し、より精度の高い回答をすることができるようになりますが、入力したデータは学習のために利用されてしまう懸念があるため、個人情報や機密情報などの入力には注意が必要となっています。
では、それぞれのサービスについて概要を確認していきたいと思います。
まずは知名度No1(個人的感想)のChatGPTについてです。
ChatGPTはOpenAIが2022年11月に運用を開始したサービスで、「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」という言語モデルを利用しており、既存のAIチャットと比較すると様々な受け答えについて比較的精度がよく、より人間らしく回答ができることから一躍話題になりました。
現在のAIチャットが流行り始める切っ掛けになったらサービスともいえ、私自身発表当初、ミーハーで恐縮ですが、すごいサービスが出たと感じた記憶があります。
続いてはGeminiです。
Geminiはもともと「Bard」と呼ばれる2023年3月に運用を開始したサービスで、Google社のAIを利用しており、2023年5月に日本語での利用も可能となっています。その後、2024年2月に名称を当初のBardからGeminiに変更し今に至っております。
こちらはサービス名と同じくGeminiというGoogle社の開発した言語モデルを利用しています。
最後はMicrosoft Copilotです。
Copilotはその名の通りMicrosoft社が提供しているサービスとなっています。もともと「bing chat」とよばれて運用されていましたが、2023年12月にMicrosoft Copilotとして正式にサービス運用が開始されました。
こちらの言語モデルは2024年時点ではOpenAIのGPT-4を利用しています。それだけではなく、Bingの検索アルゴリズムと、GPT-4を組み合わせたPrometheusという、独自技術が組み込まれています。
それぞれのサービスについて一般的には以下のような特徴があると言われています。
それではそれぞれのサービスで実際に特徴を聞いてみたいと思います。なお、2024年11月時点でフリーアカウントにログインした状態での検証となります。有償版ではないことにご注意ください。
それぞれのチャットに対して「ChatGPT・Gemini・Microsoft Copilotの特徴を教えてください。また各サービスの比較をしてください。」と質問を投げかけてみました。
なお、AIチャットは誤った情報を出力することもありますので、その点はご注意ください。
結果は以下となりまして、それぞれキャプチャーの画像・内容のまとめ・回答速度・所感について記載をしていきたいと思います。(調査日はすべて2024年11月22日時点のものです)
まずはChatGPTの回答になります。
記載の内容について各サービスの特徴をまとめますと、以下になります。
といったところでまとめられています。なお、回答のスピードはあまり早くはなく、一度に回答が出てくるというわけではなく徐々に入力されていくような表現だったため、最後の行に到達するまでやや時間がかかりました。
実際の回答を見ると、表を作成してくれていたり、結論として最後にまとめてくれていたりとわかりやすい形で回答をしてくれていました。また、各サービスの特徴についても詳しく書かれています。回答の内容につきましては、概ね記載の通りで大きなズレはないものと思われます。
続いてGeminiの回答になります。
記載の内容について各サービスの特徴をまとめますと、以下になります。
といったところでまとめられています。なお、回答のスピードは3つのサービスのうち一番早く、質問への回答がほぼノータイムでした。
実際の回答を見ると、強みと弱みをまとめてくれていたり、表を作成してくれていたりとわかりやすく書かれておりました。ややChatGPTを意識したような回答があったり、Gemini自身が高機能であるというような言い方になっていたのが、少し人間らしくて笑ってしまいました。
ただし、Geminiの弱みとして挙げていた無料版がないというのは誤りであり、個人向けであれば無料版を利用することができるため、やや回答精度は甘いのかもしれません。
最後はMicrosoft Copilotの回答になります。
記載の内容について各サービスの特徴をまとめますと、以下になります。
といったところでまとめられています。なお、回答のスピードはGeminiほどではないものの、あまり待つことはなく回答を得られました。
実際の回答を見ると、ジャンルごとの比較をしてくれていたり、各サービスの内容が端的にまとめられていることから、文章量は少ないもののわかりやすいとも言えるのではないでしょうか。
3サービスにそれぞれ特徴と比較を教えてもらいましたが、言い回しは違うもののおおよそ似通った回答にはなったのかなと思います。
ただ、回答のまとめ方は三者三様で、表が含まれていたり、強み・弱みを記載していたり、どのような観点でセクションを作るかなどが違い、個人的には面白い検証になりました。今後、性格のようなものが生まれてきたら更に人間らしくなってきそうですね。
繰り返しになりますが、AIが出した回答は誤った情報も含まれますので、鵜呑みにすることのないようにご注意ください。
いかがだったでしょうか。試してみる前はそこまで回答は変わらないのではないかと思っていたのですが、想像していたよりも回答結果で違いを見せてくれました。
中でもGeminiの回答では、Geminiをあまり悪く言っていない(?)ように見えたので、もっとも人間らしいような気もしてしまいました。
また、回答自体についても精度の問題はあるのかもしれませんが、おおよそ誤りの少ない回答をほぼノータイムでここまでまとめてくれるのは改めて凄いサービスと思った次第です。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
▽ChatGPT は Open AI, Inc. の商標です。
▽Google および Gemini は Google LLC の商標です。
▽Microsoft および Microsoft 365 および Windows および Microsoft Copilot は マイクロソフト グループの企業の商標です。