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2020.04.30 品質管理

品質管理の道具~QC7つ道具と新QC7つ道具

品質管理って?

品質管理は複数の意味、概念を含んでいるため、正確な説明をすると非常に長くなるので、
ここでは大きく「優れた商品を提供する」「職務上の問題を解決する」の二つを指すことにします。

古くは、長い業務経験や優れた直感により解決されてきましたが、一部の才能に頼らないと進められないというのは、少々解決が難しいです。そのため、品質管理を補うための数々の技法が開発されてきました。

自分の力は、自分一人の能力に、自身が扱えるものの能力を合わせたものになると言われます。
様々な品質管理の技法を扱うことで、効果的な品質管理の助けとなります。

QC7つ道具

品質管理によく使用される7つの技法が「QC7つ道具」と呼ばれます。
( QCはQuality Control=品質管理の頭文字です。)
これらは主にものづくりやサービスを提供する現場の管理で利用される技法で、事柄を数えて管理するものが多いです。

QC7つ道具
・チェックシート
・パレート図
・グラフ
・散布図
・ヒストグラム
・層別
・要因特性図
・管理図(グラフの一部ですが管理図も7つ道具の1つとして数えられます)



数値で品質を管理することは、万能ではありません。以下のような問題も含んでいます。

複雑なものは測れない
例えば、ドッグフードの新商品を開発したとします。健康に配慮した栄養価の高いフードです。しかし、栄養が必要な場合というのは色々あります。成長期の子犬、大型犬、食の細い犬、療養中の犬、これだけでも組み合わせは6パターンになり、一つ一つを測定することが難しくなります。現実ではもっと多様な要素が絡み合っているため、簡単な要素に絞った計測になり、測定結果が現実を反映しなくなります。

標準化すると情報の質が落ちる
比較可能にするために数値化すると、数値に現れない概念や意味が抜け落ちてしまいます。曖昧さや不確定な要素も、数値化して体裁を整える際に抜け落ちることがよくあります。

数値達成が目的となる。
海外には公的資金を投入するための透明性として、学業成績や卒業後の収入を数値化する取り組みがあります。成績や卒業後の収入が悪い学校は資金が減らされることで改善への取り組みを起こさせる。というのが当初の目論見でしたが、実際にはテストで高得点を取るために点数化されない授業(体育や芸術科目)を削ったり、点数の悪い生徒を仮入学組に変えて集計に含まれないようにしたりと、改竄やそれに近い行為が横行しました。

新QC7つ道具

先ほどのQC7つ道具は数値で管理するものが主でしたが、現実には数えられないもの、測定に適さない事柄も様々あります。これらを扱うための技法が新QC7つ道具です。

新QC7つ道具
・親和図法
・連関図法
・系統図法
・マトリックス図法
・マトリックス・データ解析法
・アロー・ダイアグラム法
・PDCD法

QC7つ道具と新QC7つ道具を整理すると、表のようになります。

次回からはこれらの技法を例を挙げながら一つずつ見ていきます。

≫次回:チェックシート~見落とし防止


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