高齢者や視覚障害者、見え方は様々であるというのは何となく分かるけれど、デザイナーは結局どのようにデザインすればいいのでしょう?
デザインとはただ見た目を美しく整えるだけではなく、情報を的確にターゲットに伝えるという本質を忘れてはいけません。
ユーザーが正しく情報にアクセスし、把握し、それを理解し認識することで初めてデザインが成立します。
以前ユニバーサルデザインに配慮したデザインをブログ記事で紹介しましたが、この記事では見え方の特性をもっと掘り下げて解説しようと思います。
まず最初に、どのようなユーザー特性があるのかを理解しましょう。
特性は様々ですが、WebサイトやUIに関係しそうなことをまとめました。
加齢の徴候は骨格筋系や眼、耳が変化し始めます。
腕:筋力が低下し、重いものが持てなくなってくる(動作が散漫になり、不安定になる)
眼:近くのものが見えにくくなる(老眼)、白内障により霧がかったように見えたり(霧視)、ものが2重3重に見えたりします。
耳:聞こえにくくなってくる
高齢者の視覚が変化する要因として、老眼や白内障、緑内障などが考えられます。
ものがゆがんで見える、視野が狭くなったり、一部が欠けたりすることもあり、視力が低下するなどの症状が出ます(加齢黄斑変性)。
ほかにも、色の見え方が変わるため、色で判断する能力が低下したり、距離感覚や大きさを正しく把握できなくなったりすることもあります。
女性や子どもの高い声は特に聞こえにくく、男性の声のように低い音は比較的聞き取りやすいです。
音声以外にも、電子音等も高い音だと聞き取りづらい可能性があります。
通常はWebサイトで音を流すことはあまりありませんが、動画の再生や音声読み上げソフトを使用しているユーザーへ配慮する際に意識すると良いでしょう。
加齢とともに、脳で処理できる情報量は減少します。
そのため一度に多くのことを言われても十分に理解できず、頭の中が混乱し、見落としを引き起こしやすくなります。
尋ねられたことを何度説明しても理解してくれない、説明書を読むことができない・・・等はこのためです。
詳しく丁寧に説明するよりも、簡潔に重要なポイントを表現した方が伝わりやすくなる場面もあります。
視覚障害は盲(全盲)と弱視(ロービジョン)と、大きく2つに分けられます。
弱視とはメガネやコンタクトレンズを装着しても視力があがらないことをさし、盲とは視力を持たない(全く見えない)ことをさします。
視野欠損、視野狭窄により、視野の中心部が見えづらかったり、認識できる視界が狭い障害もあります。
情報を得る手段として、Webサイトを音声読み上げソフト(スクリーンリーダー)という補助ソフトを使用する方もいらっしゃいます。
白内障、緑内障、黄斑変性、先天性の色覚異常(タイプP:第1色盲、1型2色覚)、(タイプD:第2色盲、2型2色覚)、(タイプT:第3色盲、3型2色覚)
後天性の色覚異常等があります。
それぞれの見え方の例と改善例は色のユニバーサルデザインについて vol.2(特性を理解する)で解説しています。